天皇陛下が内親王に剣を送る儀式を「賜剣の儀」といい、贈られた剣を「御佩刀(みはかし)」と呼んでいます。最も初めに贈られた御佩刀は日本刀の短刀であり、当時、最高位の日本刀匠(大隈俊平刀匠・重要無形文化財保持者)によって制作されたそうです。
皇室においては、内親王がご生誕された際に必ず短刀の制作を依頼し、御守り刀として贈るという伝統が存在します。日本刀が、大切な人を守るという考え方からきているのでしょう。
皇室だけでなく、短刀は一般的な家庭でも贈られていました。例えば結婚祝いで家を出る嫁に対して贈るのも、やはり子供を守りたいという気持ちからでしょう。日本刀は昔から、日本人と深い関係があったのです。
現代ではそもそも触れる機会はおろか、実物を見たことがないという人も少なくはありません。